ヴェネツィアの迷路のような道を歩いているうちに、白い建物の横にこのような看板を見つけました。
今日の公演はオテロですので、フェニーチェ劇場に違いありません。
チケットを出して通り抜けようとすると、ここは楽屋だとイタリア語でいわれました(苦笑)。
脇道から向かったのでわからなかったのですよね。
数十メートル迷路をすすむと、このとおり、劇場のファサードに出ることができました。
フェニーチェ劇場は、ロッシーニやドニゼッティ、べッリーニなどのオペラが初演されたことで有名ですが、何よりヴェルディの「アッティラ」、「リゴレット」、「椿姫」の初演劇場であることが知られています。
今年はプラハとミラノスカラ座で2度「リゴレット」を観劇する機会に恵まれました。
フェニーチェの意味は、英語ではフェニックスすなわち不死鳥ですが、1836年と1996年の2度にわたって火災により全焼し再建がなされ、完全復活したところから、この名がより世界に知られるようになりました。
2012年11月から始まる今シーズンは、ヴェルディの「オテロ」とワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」というイタリア、ドイツの二大オペラ巨匠の大作を交互に公演するというプログラム。
2013年のヴェルディ、ワーグナーの生誕200周年を先取りした企画です。
まさに記念すべき今シーズンの初月にオテロのチケットを取ることが出来て感動でした。
是非訪れたいと思っていた場所だけに、緊張します。
まずはチケットをもらうと会場に直行。
素晴らしい馬蹄形の劇場です。
新しい劇場であることもあって、素晴らしい装飾ですね。
あたりに人が入ってきましたが、どうもいつもよりもカメラマンが多い。
ふとレンズの向く先を見ると、カイザー席にどうやら特別な人がいるようです。
どなたかはわからなかったのですが、劇が始まる前に全員起立の上、イタリア国歌が斉唱されましたので、たぶん国賓なのでしょうね。
イタリアのオペラ劇場は幕間も素晴らしく、みな着飾った紳士淑女がそろいます。
僕もシャンパンを頂きました。
ヴェルディのオペラ「オテロ」は、ウィリアム・シェイクスピアの悲劇『オセロ』(Othello)が原作で、1887年、ミラノ・スカラ座で初演されました。
「オセロ」は、シェイクスピアの四大悲劇の一つ。
簡単にあらすじを話しますと、ヴェニス軍の将軍であるムーア人(北アフリカのイスラム教徒)オセロが、外国人の成功を妬む旗手イアーゴーの計略にかかり、妻デズデモーナの貞操を疑い殺してしまいますが、のち真実を知ったオセロは自殺するというストーリー。
美しい舞台と素晴らしい演出のもと、オペラを堪能させていただきました。