プッチーニのオペラ「マダムバタフライ(蝶々夫人)」は振袖姿の日本人女性が主役の、長崎を舞台に繰り広げられるオペラです。
プッチーニの「ご当地三部作(あとの2作は「西部の娘」、「トゥーランドット」)」最初の作品として世界では広く知られています。
長崎を舞台に、藩士令嬢の“蝶々さん”とアメリカ海軍士官ピンカートンとの間に生まれる、恋愛の悲劇を描いたもの。
1904年2月17日、ミラノのスカラ座で初演され、これは大失敗だったと伝えられているのですが、同じ年の5月28日イタリアのブレシアで上演された改訂版の成功以来、標準的なレパートリー作品となっている作品です。
この作品、オペラとしては本当に素晴らしいのですが、日本を舞台にしていることもあって、日本の文化感がどこまで正しく表現されるかどうかで、演出/演者/公演によっては非常に違和感を感じてしまうことも多いのですが・・・
この日の舞台は衣装と言い、舞台と言い、美しかった。
日本を舞台としていて、舞台の上の襖(ふすま)が効果的に使われています。
さらに、舞台の上部には舞台を上から映すような大きな鏡があって、舞台を上からも鳥瞰できるようになっているのです。
鏡に映る舞台と、実際に見える舞台の二つが見事に調和している、本当に素晴らしい演出。
さらに、蝶々さんを演じたLiping Zhang の演技が可憐なこと。
ここまでオペラで感動したのは久しぶりです。
この日のマダムバタフライは、ご覧のとおり、プラシド・ドミンゴがタクトを振るプラチナチケット。
Conductor: Plácido Domingo
Cio-Cio-San: Liping Zhang
Suzuki: Maria Zifchak
Pinkerton: Robert Dean Smith
Sharpless: Luca Salsi
指揮者ドミンゴ登場のたびに拍手が湧き起り、会場がいつにも増して華やかになります。
オペラ界のスーパースターとは、まさに彼のことですね。
僕が観たマダムバタフライの中では、間違いなく最高の、素晴らしい舞台でした。
Metの噴水の前で撮りました。