再びイタリア出張記です。
さて、いよいよサンカルロ劇場開場の時間です。
皆思い思いに今日の公演の幕開けを待っています。
今まで僕が訪れたほかの劇場に比べて、ドレスアップしている人が多い印象です。
劇場に入っていきます。
中は、独特の文化感に支配されています。
写真ではうまく伝えきれていないかもしれませんが、さすがミラノ・スカラ座とローマ・オペラ座に並ぶ、イタリア三大歌劇場。高揚する気持ちを抑えられない時間が待っていました。
ロッシーニの似顔絵。
赤いコスチュームに身を包んだ受付の女性たちが席を案内してくれます。
そして、いよいよ劇場の中へ。
スカラ座に匹敵する豪華さと独特の雰囲気。
一歩入った瞬間から気に入ってしまいました。
天井画です。
そしてサンカルロ劇場のエンブレム
「セミラーミデ(Semiramide)」は、ロッシーニがヴォルテールの悲劇「セミラミス」をもとに、1823年に作曲したオペラ。
ロッシーニのイタリア時代最後の作品としても知られています。
古代アッシリア王国での出来事。
主な主人公は、
セミラミーデ(バビロンの女王)
アルサーチェ(アッシリアの士官) こちらはコントラルトまたはメゾソプラノ(女性)が役になります。
アッスール(バール神の末裔の王子)
イドレーノ(インドの王子)
オローエ(バール神の大祭司長)
オペラ「セミラーミデ」のストーリーを簡単に話しますね。
古代アッシリア王国で、前王ニーノが毒殺され、王子ニーニャも行方不明になってから15年が経過し、新王決定の儀式が始まろうとしていますが、新王の名前を発表する儀式で、雷が鳴り、群衆は大騒ぎとなります。
群衆が去ったのち、アッシリアの士官であったアルサーチェが登場しますが、実はアルサーチェこそがニーノ王の息子王子ニーニャであり、大祭司長のオローエが、ニーノ王の遺言書をアルサーチェに見せます。
ところが、そこのは王子ニーニャに対して暗殺の実行犯であるアッスール及び王妃セミラミーデを殺すように、と書かれていたのです。
アルサーチェは自分の母親が自分の父親を殺したという残酷な事実に驚愕します。
ニーノ王の宝剣を譲り受けてアッスールへの復讐を誓うアルサーチェ。
この時のアリア「このむごい災いの一瞬に」が素晴らしいのです。
幕が変わり、セミラーミデの部屋。セミラーミデは、アルサーチェの態度がよそよそしいのを気にして、その理由をしつこく聞こうとします。
このため、アルサーチェは、セミラーミデにニーノ王の遺言書を見せることになるのです。
セミラーミデは、アルサーチェこそが自分の息子であることを知り、自分を殺してニーノ王の仇を打てと言います。
しかしアルサーチェにはセミラーミデを殺す気持ちは全くなく、母子の和解でこの幕は閉じます。
最終幕は、ニーノ王の霊廟の中。アルサーチェこそが行方不明の王子ニーニャであることが宣言され、暗闇の中、アルサーチェの素性を知ったアッスールとの決闘になります。
暗闇の中、アルサーチェ夢中で宝剣を振りかざしますが殺した相手を見て愕然とします。
なんと暗闇の中、アルサーチェが殺した相手はアッスールではなく、ニーノ王の棺の横で、アルサーチェの無事を祈っていた、自分の母親であるセミラミーデだったのです。
幸か不幸か、前王を殺したセミラーミデは遺言書通りに息子である新王に殺されることになるのです。
アルサーチェはこの残酷な事実を、兵士に連行されていくアッスールから言い渡されて、自殺を図るのですが、オローエや神官たちに引き止められ、霊廟を出ます。
霊廟の外では、アルサーチェを新王として歓迎する民衆たちの合唱が響き渡るのです。
幕間では、どちらかの企業からシャンパンが振る舞われました。
美味しくいただきましたよ。
セミラーミデはなかなか観る機会がありませんでしたので、とても貴重な体験でした。