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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

ダニエル・バレンボイムとミラノスカラ座

今日ネットサーフィンをしていたら、なんと指揮者のダニエル・バレンボイムがミラノスカラ座の音楽総監督に就任するとの発表を見つけました。

任期は2011年12月1日から2016年末まで。

ダニエル・バレンボイムはアルゼンチン出身のユダヤ人ピアニスト兼指揮者です。

現在はイスラエル国籍となっているようで、1991年にサーゲオルグ・ショルティからシカゴ交響楽団音楽監督の座を受け継いでからは、指揮者としても卓越した能力を発揮しました。

バレンボイムは二度結婚していますが、最初の結婚相手はイギリスの名チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレ。デュ・プレは才能に恵まれながらも、多発性硬化症の発病によって音楽家生命を絶たれました。

デュ・プレの使用したストラディバリウスのチェロは、現在ヨーヨーマが使用していますよね。

バレンボイムがスカラ座の音楽監督になるとは。

オペラファンにとっては本当にビッグニュースです。

スカラ座の音楽監督といえば、古くはアルトゥーロ・トスカニーニが有名ですよね。彼が率いた当時のスカラ座は、世界最高のクラシック音楽の殿堂でした。

プッチーニの代表作である「蝶々夫人」や「トゥーランドット」もスカラ座で初演され、世紀のオペラディーヴァであるマリア・カラスの「椿姫」はスカラ座の歴史上において最大の商業的な成功を収めました。

最近は、クラウディオ・アバドやリッカルド・ムーティが長く音楽監督を務めましたが、2005年にムーティが解任された後は空席が続いていたのです。

バレンボイムは2007年より客演指揮者としてスカラ座に参加していますが、今回の音楽監督就任は、プライドの高いスカラ座の団員や本当に目の肥えたスカラ座の観客に認められたという事を意味します。

僕は、2008年年末にニューヨークでバレンボイムの振ったワーグナーのトリスタンとイゾルデを観て、この人はカルロス・クライバーやバーンスタイン、カラヤンと言った名指揮者が亡くなった今、今世紀を担う指揮者として大成するのではないかとふと思ったのです。

ワーグナーの最高傑作とも言われる「トリスタンとイゾルデ」をメトロポリタン・オペラで指揮棒を振った時のバレンボイムの演奏。

年間何度も演奏会を聴きに行く僕ですが、今でも印象に残っている演奏会の一つでしたよ。

この度、バレンボイムがスカラ座に認められたということは、自分の音楽に対する審美眼の正当性が認められたような気がして、ちょっと嬉しかったですね。

以下、AFP通信の原文をご紹介しますね。

Daniel Barenboim to be La Scala’s musical directo

MILAN — World-famous conductor Daniel Barenboim will take up the post of musical director at Italy’s world renowned La Scala opera house from December until the end of 2016, the Milan theatre said on Thursday. The Israeli-Argentinian musician will open the 2011-2012 season by directing Mozart’s Don Giovanni, staged by Canadian Robert Carsen. Barenboim will spend 15 weeks a year at La Scala, where he is already principle guest conductor. La Scala’s former music director Riccardo Muti stepped down from the post in 2005 after 20 years following a blazing row over artistic differences with management and the position had remained vacant since then. Since Muti’s departure, Barenboim has held the honourary title of “Maestro of La Scala,” producing at least two operas a year.


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