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藤本院長のブログ(新国際学会周遊記)

カルロス・クライバーの交響曲第五番「運命」

おはようございます。東京も梅雨入りで曇り空ですが、今日もクリニックFの診療日です。

今朝一番の音楽は、カルロス・クライバー指揮 ウイーンフィルハーモニー管弦楽団によるベートーヴェン交響曲第五番「運命」です。1974年の録音。クライバーの「運命」を初めて聴いた時は、「運命」という名の全く違う曲かとおもいましたよ。それくらい衝撃を受けた録音です。

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カルロス・クライバーは1930年7月3日、名指揮者として知られたエーリッヒ・クライバーの息子としてベルリンで生まれました。本名はドイツ名のカールでしたが、エーリッヒがナチスに反対してアルゼンチンに移った際に、カルロスと改名されます。

スイスはチューリッヒにある工科大学に進んだ、いわば「理系の男」なのですが、一転してミュンヘンのゲルトナープラッツ劇場の練習指揮者として経験を積み、1954年にポツダムの劇場で指揮者デビューを果たします。この経歴にも僕は心惹かれてしまいますね(笑)。

指揮者デビューの際には、世界的指揮者の父エーリッヒに配慮したのか、「カール・ケラー」という芸名を用いています。カルロスの指揮者デビューに際し、父エーリッヒは「幸運を祈る 老ケラーより」と打電したと伝えられています。

カルロスは、世界各国の交響楽団と数々の名演を残すも、一度も音楽監督のポストに就任せず、1970年代頃からレパートリーをより少なく限定し、リハーサルの時間を極端に長くとって、自分の意に沿わないとわかった仕事は次々とキャンセルすることを繰り返しました。

これが逆に希少性を生み、キャンセルにより他の指揮者に代わる可能性があるにもかかわらず、チケットは瞬時で売り切れたそうです。

演奏録音の少なさに比較して、DVDなどの映像が多く残っているのですが、特に往年のカルロスはあたかもそれ自身が舞踊であるかのように優雅にタクトを振るのです。この姿が映像にこだわるカヤランからも本物の天才指揮者だと感嘆を受けた理由なのでしょう。

リヒャルトストラウスの薔薇の騎士の映像では、舞台が始まっているにもかかわらず、2分近くもカルロスクライバーの優雅な指揮を映し続けるシーンがありますが、納得できますよ(笑)。

良くも悪くも、世界的な知名度を持つ指揮者の息子として生まれた天才指揮職人と言った感じでしょうか。

最も好きな指揮者を挙げろと言われたら、「あの指揮者、この指揮者」と様々な演奏が脳裏に浮かび長い間逡巡するかもしれませんが、それでもやっぱりたぶんカルロス・クライバーを挙げてしまうのだろうな、と思います。


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