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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

オペラ「タンホイザー」

オペラ「タンホイザー」は1845年にドレスデンのゼンパーオペラで初演が行われました。

なんと、その時にはワーグナー自らがタクトを振ったのだそうです。

なんて贅沢なんでしょう。

ワーグナーのタンホイザーの中には、僕が好きでたまらない旋律が二つあります。

ひとつは、「タンホイザー序曲」。

この曲は、数年前に放映されたTVドラマ「白い巨塔」で財前五郎教授のお気に入りとされていた曲ですので、聴けばご存知の方もいるかもしれません。

「ソードーソミ・ミファソ・ソラソソファ♪」

トスカニーニの演奏をYOUTUBEで見つけました。少し音が小さいけれど、名演です。

https://youtu.be/w50tISMfHDA

序曲が終わると、いよいよオペラが始まります。

ヴァルトブルグ城の騎士タンホイザーは、エリザベートと清き愛で結ばれていましたが、ある時、愛欲の女神であるウェーヌスの棲むヴェーヌスベルクに迷い込みます。

故郷の夢を見て、ふと我に返ったタンホイザーはヴェーヌスベルクから脱出し、ヴァルトブルグ城に帰るのです。ここで一幕目が終わります。

 

幕間のホールでは、たくさんの観客が感動を分かち合っています。

グランドピアノもありましたよ。

タンホイザーの譜面です。

さて、第二幕では、タンホイザーは吟遊詩人たちの集まる歌合戦に参加することになります。

この歌合戦が始まる時の入場の曲が本当にすばらしいのです。

「ソーミードド・ソーファ・ミードミレドシドーソ♪」

これではわかりませんよね(苦笑)。

わからない方は、こちらもYOU TUBEでどうぞ。

https://youtu.be/_UvqdCU4dIs

僕はいつもこの歌の合唱のフレーズが入ると、感動して反射的に鳥肌が立って涙が出そうになるのです。

本当は途中、合唱が入るビデオを探したんですが、残念ながらありませんでした。

さらに、このときに歌合戦に使用されたといわれる部屋が、先日訪れたヴァルトブルグ城歌合戦の大広間です。

イメージが引き立てられますよね。

さて、歌合戦の課題は「愛の本質について」なのですが、

ここでタンホイザーはこともあろうに、この場で官能の女神ヴェーヌスを讃える歌を歌ってしまい、領主と民衆に反感を買い、その罪深さについて教皇の赦しを得るためローマに向かうことになります。

ローマにたどり着いたタンホイザーは、教皇の赦しを得ることができず、失意のまま故郷に帰りますが、ちょうどその場でタンホイザーの赦しを祈って自ら命を絶ってしまったエリーザベトの葬儀に遭遇し、エリザーベトの亡きがらに寄り添って息を引き取ります。

タンホイザーが息を引き取る時、ローマの教皇からの特赦が下りたと知らせが来るのです。

以前、ブログにも書いたことがあると思うのですが、自信に満ちたワーグナーの曲を聴くことができるかどうかは、僕自身の精神状態を測るバロメーターになっています。

ワーグナーが素晴らしいと思うときは、僕の仕事がうまくいって、精神状態が安定している時。

逆にストレスがたまっていたり、落ち込んでいたり、余裕がないときは、聴くとかえって気が滅入ってしまうのです。

この日はフィレンツェでの講演がとてもうまくいったこともあり、本当にオペラを楽しむことができましたよ。

 


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