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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

第7回トータルアンチエイジングセミナー NO,2

そして、次にはマーケティングの話しをしました。

何かが満たされない状態を Needs といい
それを満たす特定のものを Wants というわけですが、
マーケティングとは、Wantsを満たす活動なのです。

古きよき時代は、いわば「作れば売れる」時代でしたので、「作ったものを売る」ことに専念すればよかったのですが、

現在は、どの様な産業にも競争激化、売上げ減少、成長鈍化が起こっています。こういった市場の中では、”マーケティング”が必要だというわけです。

この次のスライドでは、フィリップコトラーの著作から、マーケティングの基本的概念の説明をしました。つまり、環境の分析からセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング、マーケティングミックスのいわば定石の説明です。これも普通の医師にはなじみのうすいものなのです。

次の論点は、保険と自費の両立です。

保険診療はいわば、エコノミークラス。美容やアンチエイジング診療と行う自費診療はビジネスクラスの対応が必要なのです。

ビジネスクラスでは、

保険よりも 1ランク上のおもてなしムードで
待合スペースを分けてそちらへ通す
お待たせしない (スタッフがつなぐ)
レーザーや光治療だけでなく、スキンケア・プログラムを施術に加える
(枠いっぱい時間を使う)
先生やスタッフが出来るだけ話をする
携帯にメールを送る
常にビジネスクラスの笑顔で

の対応が必要です。

そして、ビジネスクラスのサービスを提供するためには、Treatment と Hospitalityを学ぶことが必要となります。これは、我々がレストランや、美容院を選ぶときと全く同じだと思います。

最新治療技術を学ぶために

学会、セミナー、教科書
メーカーの臨床担当者
大学等の教育機関
お知り合いの先生

ホスピタリティを学ぶために

教科書
お知り合いのクリニック見学
レストランやホテル
コンサル会社のセミナー

などを使うのがよいと思います。

集客のノウハウについては、WEB戦略とBLOG戦略について話しました。

美容皮膚科の分野では、デザイン性や院内の設備、そのクリニック及び院長の哲学、イメージ・・・というものが重視される。

ネット全盛の時代にあっても、美容皮膚科の場合は雑誌やTVでの露出に人気が左右される場合も依然多い。 雑誌やTVでそのクリニックを知った患者さん、あるいはそのクリニックは知らなくともレーザー機器や有効な施術法を知った患者さんが、そのキーワードを元に検索をかける。

いわば美容皮膚科の場合、WEBがまずありきではなく、口コミやマスメディアによる情報がまず先にあって、そこからWEBに検索をかける方が多いのです。

もう1つ、アカウンティングの話しをしました。

クリニックを経営するためには、外部報告向けの正確な実績を示すための財務会計(賃貸対照表 (B/S) 損益計算書 (P/L))と、将来の経営活動に活かす内部活用向けの管理会計(財務分析 損益分岐点分析 予算管理)があるわけです。

財務会計は、会計士さんや、税理士さんがやってくれますが、実は本当に大切なのは管理会計なのです。

そして、管理会計を把握するのに最も大切なのは、キャッシュフロー計算書です。

フリーキャッシュフロー=営業利益×(1-法人税率) + 減価償却費

と表わすことが出来ますが、フリーキャッシュフローは実物資産の増減に主観性が入る余地がなく、BS、PLと違って利益操作できないのです。

クレジットカードの売掛けや、保険診療の入金が遅れることを考慮する。さらに、減価償却費は、二年目以降の見えない利益であることが、意外と経営の基本であるのに関わらず、忘れられていることなのです。

新しい事業を始めるときに、こうしたフリーキャッシュフローをエクセルで数年分、計算してみればいいのです。紙の上ではいくらでも失敗してよいのですから。

ともあれ、今年のトータルアンチエイジングセミナーは、一味違ったよいものを提供できたのではないでしょうか。


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