ニューヨーク最終日。
久しぶりに、僕の好きな絵が展示してあるフリックコレクションへ行って来ました。
こちらは事業家として成功したフリック氏が集めた収蔵物を、彼の自宅を改装した美術館で一般展示しているのです。
小さいながら選ばれた絵がもとてもセンス良く、フリック氏の事業家だけではない美術の鑑定眼もよくわかります。
特に、最近日本でもおなじみになった、17世紀のオランダの画家、フェルメールの絵が「中断された音楽の稽古」「士官と笑う娘」「婦人と召使い」と3枚も並んでいるのです。
現在でも三十数枚ほどしか発見されていないフェルメールの絵を、1900年代に個人で三つも買い入れたのは驚嘆に値します。
当時の新聞記事にもなったようです。
これらの絵は、フリックコレクションから出ないことが決められていて、この場所に来ないと観られないのです。
僕も世界各国の美術館で、30枚近くのフェルメールの絵を観てきましたが、画集では表現できない奥行きと光の加減があり、実物を少しでも目にしたいと思うところです。
今回の訪問では、館内を見渡しても「婦人と召使い」が見つけられず、
どこにあるの?
と聞いたところ、
ほんの数週間前に倉庫に入れてしまった、と。
残念ですが、また次の訪問までに楽しみを取っておきましょう。