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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

三国志

最近、横山光輝の漫画「三国志」全30巻を、1巻から読み直し始めました。三国志は吉川栄治の小説も、横山光輝の漫画もどちらも持っています。初めて小説を読んだのは高校生のときですが、それ以来、5年後ごとぐらいに読み直したくなるんですよ。漫画と小説のどちらからか読み始めると、結局いつも両方読んでしまいます。どちらも違った視点で歴史を捕らえていて、とても面白いのです。

前に読んだのは、ちょうど2000年ぐらい。大学院に入ったときでした。

登場人物の中では、僕は圧倒的に曹操が好きです。三国志演技などで、劉備が善人、曹操が悪人とされてしまい、今の中国では曹操は悪人扱いなのは非常に残念なことです。

曹操は優れた政治力と戦闘力、企画実行力を持った上に、優れた詩をも多く残しており文化的な才能を持つ人物であったとおもいます。中国の王朝は、易姓革命(天が優れた人物を選び、皇帝にする)の考えがあります。前王朝の歴史の書物を次の王朝がまとめ上げるという、中国独自の歴史観から、劉家から漢王朝を簒奪し、魏の国を建てた曹操が、悪く言われてしまうのも仕方がないのかもしれません。魏の国は、邪馬台国の卑弥呼が金印を遣わされたと記録されている魏史倭人伝を編纂した国であり、実はこれが日本と中国との最初の接点なのではないでしょうか。

少し前に、中国が、中国の偉人8人を発表したのですが、その中には漢の劉邦、秦の始皇帝にならび、三国時代から曹操と諸葛亮が選ばれていました。曹操の復権が成されているのは喜ばしいと思いました。

晩年の曹操はこんな詩を詠みました。

老驥伏櫪 (老いたる馬は厩に伏すと言っても)
志在千里 (志は千里にあり)
烈士暮年 (烈士は晩年においても)
壮心不已 (壮心はやまず)

「天よ、われに全ての艱難辛苦を与えよ」と言う名言を残した曹操。全ての苦労を背負って、自ら成長することを望んだ曹操は、自分にも他人にも厳しかった人なのでしょう。晩年に至っても大志を抱いていた曹操に憧れを感じます。


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