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藤本院長のブログ(新国際学会周遊記)

日焼け止めの選択

2008年08月25日(月) カテゴリー:化粧品

夏が終わろうとしています。

この夏南の島にバカンスに行かれた患者さんも多かったのですが、日焼け止めを塗っていたのにもかかわらず、夜になって顔や手が真っ赤になって腫れ上がり困った・・・なんていう相談をよく受けています。

肌のタイプは日光にあたって色が赤くなるか、そして日焼けの後に黒くなるか、などによって人種によって6種類の分類があります。その他に、敏感肌や脂性肌・・など肌質の違いも加味しながら、日焼け止めを選択しなければなりません。

ここで、今一度「日焼け」についての常識を整理してみましょう。

まず、だいぶ聞きなれてきた感のある、紫外線、そしてUV-AとUV-Bの違いについて。

紫外線(Ultra Violet)とは、波長が10 – 400 nm、すなわち可視光線より短く軟X線より長い“不可視光線”の電磁波です。

なぜ「ヴァイオレット=紫」という言葉が使われているかと言えば、光のスペクトルは赤から紫に分かれるのですが、紫外線はその紫よりも外側になるため、「ウルトラ(ラテン語のultraは英語のbeyondの意味もある)ヴァイオレット」=「紫より外」「紫を越えた」という名前がつけられたと言われています。

(ちなみに、「赤より外」の赤外線は、英語で「Infrared」=「赤よりインフラ(下)」という言葉が使われます。)

そして外国人がよくやるように「Ultra」と「Violet」の「頭文字」のみをとって、「UV」と呼ぶわけですね。

赤外線が熱的な作用を及ぼすのに対し、紫外線は人体に化学的な作用を及ぼします。どんな作用かと言えば、

殺菌消毒

ビタミンDの合成

生体に対しての血行促進

新陳代謝の促進

皮膚抵抗力の亢進

・・・などを挙げることができるでしょう。

こうして見てみるとわかるように、紫外線は決して「悪いもの」ではないのです。

Spectra 太陽光には、紫外線の中でも、A~Cまでの波長が含まれます。その内A波=UV-AとB波=UV-Bはオゾン層を通過します。

UV-Aは、皮膚の真皮層に作用し蛋白質を変性させ、細胞の機能を活性化させます。また、UV-Bによって生成されたメラニン色素を酸化させて褐色に変化させる。UVAによる日焼けは、「Suntan」と呼ばれ、A波のAは「Aging=老化」のAと言われます。

UV-Bは、表皮層に作用します。色素細胞がメラニンを生成し防御反応を取るのです。B波のBは、「Burn=火傷」のBと言われ、B波による日焼け「Sunburn」は発癌性を指摘されています。

老化は病気ではありませんが、癌は病気です。そのため以前はUV-AよりもUV-Bをいかに防ぐかが世界的な課題であり、日焼け止めにも「SPF(Sun Protection Factor)」と呼ばれる「UV-Bをいかに長時間カットするか」という機能が求められてきました。

SPFの数値が1上がるたびに、日焼けの抑制効果が20分長くなるので、塗り直しの回数を考えれば、SPF値が高い方が便利だと、どんどん数字も高いものが市場に出回るようになっていったのです。

しかし、80年代頃から、アンチエイジング=抗老化に対する意識が高まり、それに伴う形でUV-A波のカット=PA(Protection grade of UV-A)が日焼け止めの機能として求められることになります。

数字で表したSPFと違って、PAは、「+」「++」「+++」という三つの指標で表示。この内医学的な視点で見れば「+」がひとつではあまり意味がなく、日常生活を送る上でも最低「++」=ふたつ、屋外スポーツやリゾート地など非日常的な場所では「+++」=みっつ以上の抑制力のあるものを使用してほしい、とお願いしています。


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