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BLOG 藤本幸弘オフィシャルブログ

R.Rox Anderson

ボストン ハーバード大学附属大学病院ともいえる「MGH」すなわち、「マサチューセッツ・ジェネラル・ホスピタル」 の敷地に向かいました。

この病院、ドクターなら誰でもその名前を聞いただけでピンと来る、世界で最も有名な病院のひとつです。

この敷地の中に今日のレーザー医療を作り上げたレーザー業界の“総本山”ともいえる、「ウェルマン光医学研究所」があります。

 

実は今回本当にラッキーなことにあのロックス・アンダソン先生とレーザーに関するディスカッションの時間をいただくことができました。

ロックスは、言わずと知れた現在のレーザー光医学を作り上げた人物です。

詳しくはクリニックFのWEBにある、レーザーの歴史のページをご覧ください。

1983年。パリッシュとの共著の「選択的光融解理論」を「サイエンス」誌に掲載させることによって、肌に対するレーザー光治療の有効性を立証しました。

彼はその功績で若くしてハーバード大学の教授になり、約40年間レーザー医学のトップをけん引している人物です。フラクセルの発想も彼のものでした。

ロックスは、もともとは単なる実験助手だったそうなのですが、そのあまりの優秀さに周りがメディカルスクールに行かせることを勧めたといった逸話を聞いたことがあります。

ロックス

開口一番、彼が

「さて、今日ははるばるここまで来て、私と何をディスカッションしたいんだい??」

と言われたので、一瞬ドキッとしましたが、

「日本という、比較的恵まれたレーザー医療が行える環境にあって、自分がプラクティスしている内容をざっくりと話したのち、脱毛、ホワイトニング、タイトニング、フラクショナルリサーフェシング、と続いたレーザー界のパラダイムシフトの、次に来るのが何なのか、ぜひお聞きしたい」

と話しました。

「君は何が来ると思う?」

と聞かれたので、

「4月のASLMSの発表や、8月のカナダのコントロバーシーのディスカッションを見ていると、やはり次は脂肪にアプローチする治療器でしょうか???」

「いや、私はそうは思わない。私自身は皮脂腺を破壊するレーザーを開発して、ニキビを完全に撲滅したいと考えているんだよ。」

というではないですか。

「そういえば、今年のASLMSで「Best Over All Basic Science Award」をとったのはこの研究所の先生の門下生が皮脂腺の発表をした件でしたよね。確か1700nmあたりでしたっけ?」

こんな感じで結構会話が弾み、気づいたら約1時間余りも経過していました。

アンダソン先生は、

「本当は自分が研究所を案内してあげたいのだけれど、あと10分ぐらいで、次のアポがある。」

と言いつつも、親切にも自ら施設を案内して下さいました。

僕がここで言及するまでもなく、非常にスマートで、ちょっとした会話の中に幾つものヒントがあり、それはいずれも僕にとって今後の示唆に富むものでした。

本当に勉強になりました。

ところで、あとになって聞いた話によると、

「ロックス・アンダソンは本当に忙しい人物で、医者一人のために時間をとってくれることはめったにない」

ということのようなのです。

僕が今回アポを取れたのは、今となっては本当にラッキーだったとしか言いようがありません。素晴らしい体験でした。


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