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藤本院長のブログ(新国際学会周遊記)

「若返らせる治療」と「若い顔を作る医療」

僕自身、2000年から美容診療に関わってきましたが、アンチエイジング目的の美容診療には大きく二つの流れがあると思っています。

一言で言うと、「若返らせる治療」と「若い顔を作る医療」です。

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レーザーを中心とした光治療や超音波、HIFU、RF(ラジオ波)などのEBMD(Energy Based Medical Devices)を中心とした機器医療は、熱刺激や選択的光熱破壊を起こすことにより、肌の中の遺伝子に働きかけ、新たな蛋白合成をすることで肌全体を「若返らせる治療」です。

こちらは、肌のハリや透明感を戻すことにより、年齢を数歳戻すことを目的とした過去最高の時の自分の顔を取り戻すための治療で、いわば「いけていない時の顔が減る」治療だと表現しています。

機器を用いた医療は、肌質を改善することを目的としますので、時間がかかります。

現在、米国の学会では、約10年前の患者さんの顔と現在の顔写真を比較し、より若返った写真が供覧されるようになりました。

今から正しい機器による肌のメンテナンスをきっちり続けてもらえば、10年後には今より若い顔になると言うことです。

5年10年先の肌を考えるのであれば、機器による治療を薦めます。

クリニックFでは、肌全体を若返らせるために用意された30機種以上の機器の中から

1 肌の透明感をあげる「ホワイトニング」

2 肌のハリと弾力を作る「タイトニング」

3 肌を平滑にする「リサーフェシング」

4 肌を持ち上げる「リフティング」

のそれぞれのカテゴリーで、患者さんに最も必要な機種を選び、年5回をめどに定期的に照射してもらうオリジナルのメニューをお勧めしています。

こちらのトッピング要素として、肌質を改善する「ボトックス」や「臍帯血増殖上澄み液」、「自家再生線維芽細胞」などを、フラクショナルレーザーアシストによるドラッグデリバリーで肌広域に導入する治療も行っています。

一方で、ボトックスやヒアルロン酸などは、フィラーを用いることで若い顔を作ったり、変身願望を叶えるための「若い顔を作る医療」。

こちらは化粧の延長上にあるように手軽にできる整形という意味の、「プチ整形」という言葉が使われています。

フィラーはすぐに結果が出ますので、来週の結婚式や同窓会がある人であれば、ヒアルロン酸で調整します。

僕は2006年より米国レーザー医学会の専門医の資格を持った機器治療の専門家ですので、クリニックFでは「若返る」機器治療を中心に施術を薦めてきたつもりですが、数年前から志を同じくした形成外科専門医の先生たちが合流してくれたので、いわゆる「プチ整形」も施術メニューに加わるようになりました。

現在は患者さんのWant’sがどこにあるのか、初診時に見分けなければならないと思っています。


三つ目の博士号 薬学博士論文 フラクショナル・レーザーアシストとリポソーム併用によるドラッグデリバリーについて

3年間研究在籍していた慶応義塾大学大学院薬学系研究科での研究を終え、

医学博士(東京大学2004年)

工学博士(東海大学2013年) に次ぐ

僕の3つ目の博士号である 薬学博士

博士(薬科学) (慶應義塾大学2017年)を受理することができました。

 

ここに至るまで、思わず涙が出るほどつらい経験もしました。

その分本当に嬉しいです。様々な局面で支えてくださった方々のおかげです。

ありがとうございました。

***

僕は小学生の頃から理科が大好きな子供でした。

父親は文系の研究者でしたが、理系の研究者という職種が存在すると気づいたのは、小学3年生の頃だったような気がします。

当時、千葉の放射線医学総合研究所(放医研)に勤めていた理学博士の叔父の研究室に遊びに行かせてもらって感激したのです。

思えば、将来博士号を取るという事を明確に意識したのがこの時でした。

物理 化学 生物 は理系の主要な三部門です。

新たな理論を立証する手法は、それぞれの学問で異なります。

物理であれば数式で

化学であれば化学式で

生物であれば図表で

証明することが必要になりますが、

レーザーを軸にし、工学(物理学) 薬学(化学) 医学(生物学) の三分野の博士号を取得した医師は世界にも他にいません。

人生においても、研究においても、経営においても、他人とはひと味違った、またはちょっと角度の異なるオリジナルなものを作り上げたいというのが僕の常なる目標でありモチベーションですので、転んでしまった時もとりあえず立ち上がりひたすら信じる道を進んできたな、と思います。

***

フラクショナルレーザー機器を用いたドラッグデリバリーの論文は英文で2報書くことができました。

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一本目の論文は、レーザー医学の世界のトップジャーナル。Lasers in Surgery and Medicine誌に載せることができました。

生体に薬を入れる手法は大きく分けて三つあります。

経口 経静脈 経皮 (経肺というルートも考えられます)

ですが、この論文は、経皮の薬剤吸収を促進する方法です。

今回の僕の論文は、リポソームを薬剤トランクのように用いて、フラクショナルレーザーをアシスト照射することで薬剤の皮下への導入を増やそうというもの。

スライド43それまで、経皮の薬剤吸収の促進と制御方法には上記二つの手法がありました。

こちらのフラクショナルレーザー機器を物理的な手法とすれば、以下のようにより有利に薬剤をコントロールして皮下に導入できることとなります。

スライド44皮下に導入するフラクショナルレーザーとしてはCO2の波長を選択しました。

この波長は照射後の皮膚が乾燥し、薬剤が浸潤しやすい状況を作るからです。

スライド45波長を決定して、残りの3要素のパラメーター

パワー 照射密度 照射時間をコントロールして実験を行いました。

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リポソームに内封させる薬剤としては、

低分子モデル 分子量376 5CF

低分子タンパクモデル 分子量6000 インシュリン

ワクチンモデル 分子量 45000 OVAアルブミン

と、大きさの違うモデル薬剤を用いて、それぞれ実験を行いました。

スライド48

どのモデル薬剤を用いても、パワー依存性、照射密度依存性、パルス幅依存性に薬剤導入が増すことが確認できました。

こうしたフラクショナルレーザーを用いた薬剤導入で最もメリットがあると思われるのは

〇針を使って日々インシュリンを導入しなければならない糖尿病患者

〇予防接種のためにワクチンを注射する小児

〇組織内圧が高く、そもそも注射が難しいケロイド患者

などが想定されます。

さらに、フラクショナルレーザーで開ける穴を調節することで、さらに大きな、例えばメラノサイトのような細胞を導入できるようになります。こちらはドラッグではなく、セル(細胞)デリバリーとしての応用です。

白斑や薄毛の治療などにも大きな福音となるでしょう。

***

二つ目の論文は、リポソームに用いるペプチドを、温度応答性に構造変化する変形性のペプチド組み込むことで、崩壊のタイミングをレーザーでコントロールするというもの。薬学のジャーナルに載せることができました。

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スライド61皮下に温度応答性のリポソームをしばらく沈降させて、必要な時間にレーザーを照射して皮下温度を上昇させることで薬剤放出をさせることができるのです。

実際にクリニックFでは、フラクショナルレーザーを使用したのちにこうした効果的な薬剤を塗布することで、肌を入れ替える施術を行っています。

難治性のニキビ跡や、初老期の表皮の細かいシワなどの肌を、脱皮させ、生まれ変わらせることができますよ。


サンディエゴで開催される米国レーザー医学会(ASLMS)の演題

来月頭に米国はサンディエゴで開催される米国レーザー医学会(ASLMS)の演題ができました。

一つはキュテラ社トゥルスカ施術の顔面への応用で臨床ポスター発表。

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もう一つは温度応答性のリポゾームを利用したレーザードラッグデリバリーの基礎実験の口頭発表。

こちらのPtは、5回の施術を行ったのち、顔面認証システムが反応しなくなり、写真を取り直したのだそうです。

首から頬にかけてのラインが明らかに変わりますね。


梅田の藤井クリニック訪問

梅田の藤井クリニック訪問させていただきました。

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赤で統一されたインテリアに大きな水槽。

インパクトありました。

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藤井先生、ありがとうございました。


新しい注目レーザー inMode

クリニックF、金曜と土曜の外来を担当している宮下です。

 

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この週末は、先日クリニックFに来院してくれたMoshe Mizrahy、彼が開発した新しいIPLプラットフォームであるinmodeも活躍してくれています。

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この機種には、過去にない画期的な技術が3つ(それぞれ、痩身、光治療、脱毛)が組み込まれています。
①IPL
②RF
③フラクショナルRF
④アレキサンドライト+ダイオードレーザー(2波長)
⑤バキューム+RF
など多彩なモードが魅力であり、これ一台でかなりの用途を満たします。

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IPLについては515nmと580nmの2種類の波長が選択できるようになっており、アジア人に関しては580nmから始めるのが安全だと思います。

 

RFは各パーツごとに10分間行い、40〜41℃程度まで温度を上げます。
しっかりと温度上昇を感じて効果が実感できそうです。

フラクショナルRFのヘッドは3タイプあり、
「浅い層や小じわに効く」
「しわやにきび跡全般に効く」
「ヘッドにコーティングがされておらず深い層まで到達し、重度のにきび痕や深いシワに効く」
といったラインナップです。

正確な診断と組み合わせるとパワーを発揮しそうですね。

また1つのヘッドでアレキサンドライト(755nm)+ダイオードレーザー(810nm)が出せるモードがあり、同時に強力なクーリング機能もついています。

安全にシミの治療もできそうです。

バキュームRFについては吸引と2タイプのRFで脂肪のアポトーシスを促します。
〇normalモード:腹部、大腿
〇sensitiveモード:内腿、上腕
〇redesisモード:硬めの大腿や腹部
という3モードがあり、1部位25分程度かけて40〜41℃をターゲットにして十分に温めます。

どのモードも効果が楽しみです。

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僕は診療の合間に髭の脱毛を試してみましたが、痛みも少なくあっという間に終わり、個人的にも気に入りました(笑)。

ご興味のある方は是非ご相談くださいね。


イスラエルからMoshe Mizrahy が来院しました

今日はイスラエルからMoshe Mizrahy が来院し、新たに彼が開発したIPLプラットフォームであるimmodeについて直接説明に来てくれました。

モーシェは2007年までシネロン社の社長でしたので、もう長い付き合いです。

シネロンをスピンアウトして以来、最も自信のある機械を作って持って来たと言っていました。

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この機種には、過去にない画期的な技術が3つ(それぞれ、痩身、光治療、脱毛)が組み込まれているのですが、今日はその詳細について議論できましたので収穫です。

日本デビューは本年の5月頃でしょうか。

何れにしても新しい機器は、楽しみですね。


宮下宏紀先生 マドンナリフト

今日のクリニックF、外来は宮下宏紀先生です。

 

 

 

 

春が近づいてきたせいか、マドンナリフトやフラクセルなどの施術が最近また増えてきました。

 

http://clinic-f.com/laser/smartxide.html


ボランティアでやっている若手医師のための勉強会

21世紀の医師の仕事は、臨床、研究、教育に加えて、起業であるというのは、いち早く上場を果たした大学の後輩医師であるMedPeer株式会社石見陽社長の言葉ですが、中堅医師としては、4つの仕事をバランスよくやりたいものです。

昨晩は毎月クリニックFを開放してボランティアでやっている、若手医師のための勉強会でした。

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昨晩は、北條先生の再生医療と、僕のフラクショナルレーザーアシストによるドラッグデリバリーを組み合わせた勉強会。

初参加の先生もいましたが、夜遅くまで大いに盛り上がりました。


アンチエイジングのための光治療

今日締め切りのレーザー治療の教科書の原稿頑張って書いています。

レーザー

「アンチエイジングのための光治療」各社光治療機器のプラットフォームの比較表をエクセルで作りましたが、自分で打ち込むと使用している波長覚えるものですね。


10年のレーザー研究成果を、クリニックFのスタッフに説明

今日はこの10年のレーザーの研究成果を、クリニックFのスタッフに説明しました。

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ぼくには臨床家、研究者、経営者の顔がありますが、彼女たちは、研究者としての僕の顔をあまり見たことがなかったようで、インパクトあったようです。(笑)。

こうした研究者としての顔も少しづつ見せていかないとなあと思いましたよ。


痩身に重要なホルモン:レプチンについて

こんにちは、金曜日土曜日クリニックFの外来を担当している宮下宏紀です。

 

2/12に日本痩身医学協会の認定講師会議にて、藤本先生と一緒に痩身についての講演を行ってきました。

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私の担当は痩身に重要なレプチンというホルモンについてです。

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クリニックFでは「アンチエイジング」という観点からレーザーを使って顔の若返り、身体の若返りを追求していきますが、痩身というのは単なる若返り・美を求めるために必要なものではなく、肥満は高血圧・糖尿病・高脂血症などを介して脳血管障害や心筋梗塞の原因となります。

 

 

メタボリックシンドロームという言葉が市民権を得て久しいですが、寿命が延び人生のゴールを以前の常識に対し、10年も20年も先送りしなければならない現代では、やはり健康寿命も意識して延ばさねばなりません。

 

まさに「肥満から疾患が始まる」のですから、肥満への対応は個人としてはもちろん、国としても急務です。

 

 

 

そんな中、レプチンというホルモンに注目が集まっています。

 

 

 

レプチンは食後に体の脂肪細胞から分泌されて、脳内へ移行し体に満腹感を与えるペプチドホルモンです。

 

Jeffrey M. Friedmanという米国の分子遺伝学者が世界で初めて報告しました。

 

フリードマン博士の報告以前には生物の体重制御のシステムはほとんど知られていなかったために大発見であったと言えます。

 

 

 

 

レプチンは視床下部にある弓状核・背内側核・腹内側核などに作用し食欲減少に働きます。

 

 

それ以外にも体の代謝を高めてエネルギー消費を増やすなどの働きがあります。まさに「痩せホルモン」と言えます。

 

例えば痩せている人はレプチンが少ない、食欲が多い、たくさん食べて普通体型に戻る。

太っている人はレプチンが多い、食欲が少ない、少ししか食べないので普通体型に戻る。

というような形で体重の恒常性(ホメオスタシス)を調整しているわけです。

しかし実際問題どうでしょうか?

太っている人は本当にレプチンが効いて食欲を少なく抑えてダイエットに成功しているでしょうか?

実際には過食を続け肥満を維持しているケースの方が多いように思います。

ここで考えなくてはいけないのが「レプチンの悪循環」です。

太った人で考えます。

 

カロリーを多量摂取して、脂肪が増えるのでレプチンが増える、ここまではいいのですが、いつもいつもレプチンが増えている状態だと「レプチン抵抗性も上昇」します。

ちょうど糖尿病患者の体内にインシュリンが分泌されすぎて「インシュリン抵抗性が上昇」して血糖値が上がってしまっているのと同じ状態です。

レプチン抵抗性が上昇した結果、体内のレプチンシグナルは無視されてしまい、結局過食に走り肥満は悪化します。

長引く肥満が、レプチン抵抗性を上昇させて、さらなる肥満を招く。

これが「レプチンの悪循環」です。

ダイエットを成功させる鍵は悪化してしまった「レプチン抵抗性」を下げることにあります。

 

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講演会を行うにあたり過去の栄養学や生理学の英語論文を20個弱読みましたが、そこから得られた知見としては

 

●オリゴ糖を摂取すると体重減少効果や耐糖能改善(糖尿病改善)の効果があった

 

●高たんぱく食が食欲抑制や体重減少につながった

 

●食事量低下+運動量増加するとレプチンが増えて体重が予測を上回る勢いで減った

 

などなど・・・

 

もう少しざっくりとまとめると

 

「レプチン抵抗性を改善」するためには

 

●ジャンクフード(糖質と粗悪な脂質)をやめて フルーツや野菜を摂取する

 

●運動する

 

●タンパク質を十分に摂取

 

●睡眠時間を増やす(7-8時間)

 

●そもそも太らない

 

といった感じになります。

 

 

これらを実践するだけでも十分にダイエットが可能と思います。

 

過食が良くないというのは感覚的にはわかるのですが、なぜ過食するといけないのかのヒントとなる論文も見つかりました。

 

この論文の調査によれば 過食を行うことで

 

●小胞体のストレスが増加

 

●視床下部の炎症

 

●謝ったautophagy(自食作用)

 

が起こる それらの結果SOCS3, PTP1B, NFκBなどの炎症性サイトカインを介して、視床下部におけるレプチン抵抗性が起こり、最終的に肥満につながるという内容。

 

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NFκB(エヌエフカッパービー)は、ヒドロキシラジカルなどの酸化作用の極めて強いフリーラジカルによって起こる酸化カスケードを構成する炎症性サイトカインで、慢性炎症を通じて老化の原因となります。

 

ビタミンCなどの還元物質摂取も、主にこの酸化カスケードを止めることが目的です。

 

過食がNFκBを介して視床下部の慢性炎症によりレプチン抵抗性を増している、という報告を見て、科学の複雑なつながりに感動しました。老化を止めるには体の慢性炎症を止めないといけないわけですが、過食に伴う慢性炎症もアンチエイジング達成のためには止める必要があります。

 

慢性炎症の予防するための還元物質としては水素も忘れてはいけません。

 

体内に広く存在し、液体にも個体にも溶解する水素は、身体中に行き渡らせることができるため、摂取すればレプチン抵抗性の改善に伴い痩身効果があるかもしれません。

 

この辺りは今後の検証が必要ですね。

 

今後も継続的に勉強を続けていきます。


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