クリニックFに2009年から導入されているアコレード(Accolade)。
755nmの波長をもつQスイッチアレキサンドライトレーザーで、
ナノ秒のパルスによる衝撃波でメラニンを粉砕します。
この波長はメラニンへの吸収性が高く、深達度も高く、副作用を最小限に留めるもので、アジア人の肌にはとても人気のあるものです。
サイノシュア社の機器は大きいですし、決して使い勝手が良いわけではないのですが、設定が玄人好みで、僕は好きですね。
こちらのアコレード。
適応疾患としては、
・真皮メラノサイトーシス(太田母斑、異所性蒙古斑)
・ADM
・表在性色素斑(雀卵斑、老人性色素斑)
・外傷性色素沈着
・刺青(黒点・青・緑)
などがあります。
こちらもアコレードの特徴である
①照射スピードは最大10Hz照射
②低出力治療に適した最低出力1.0Hz
③Qスイッチ(ns)とロング(μs)の選べるパルス幅
④照射に安全なガイド光付き
を持つことを特徴に持っています。
最近、このアコレードの二つの照射方法を組み合わせた、「アコレードセラピー」という照射方法が提案されてきました。
これはアコレードレーザーを使用した色素疾患のトータル治療。
低出力のため色素沈着などのリスクが大幅に軽減され、効率の良い治療が可能です。
①Accolade トーニング
低出力で全体のトーンを薄く
②Accolade ホワイトニング
残ったシミを低リスクに除去
アレキサンドライトレーザーのトーニングは、Nd:YAGの波長をもつ、メドライトC6やレブライトのレーザートーニングとは少し異なります。
4年前の2010年には、僕も米国レーザー医学会(ASLMS2010)で、アジア人肝斑において、低出力Qスイッチの、アレキサンドライトとNd:YAGを使用した場合の治療比較についての研究発表も行いました。
Fujimoto T Comparison of low fluence Q-switched alexandrite laser versus Q-switched Nd:YAG laser for the melasma treatment of Asian patients: Lasers in Surgery and Medicine: Vol.42(S22):p81-82
一般的に広まっているメドライトなどの1064nmのNd:ヤグレーザーによるトーニングとは効果が異なりますので、治療に満足できなかった方への選択肢としては良いですよ。